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世界184か国の食事からわかった、糖尿病リスクを高める3つの食事

2023.05.01

糖尿病と診断はされていなくても、健康診断で「血糖値が高め」「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が高め」と指摘されて気になっている人は多いと思います。そんな方にぜひ知っていただきたい、気になる研究結果が公表されていました。
世界184か国の食事を調査したところ、ある3種類の“不健康な食事”が糖尿病のリスクを高めていたそうです。

糖尿病の7割は食事が原因

アメリカのタフツ大学栄養科学政策大学院の研究者らによって行われた研究によると、世界184か国の食事を調査したところ、2018年に発症した1,410万件以上の2型糖尿病が不適切な食事に起因していると推定されるそうです。これは、新たに診断された2型糖尿病の7割以上に当たります。

糖尿病リスクを高める“不健康な食事”、3つの特徴とは?

では、“不適切な食事”とはどういうものでしょうか?
この調査で、2型糖尿病の世界的な発生率の上昇の大きく影響を与えていることがわかったのが、次の3つです。

① 全粒穀物の不十分な摂取
② 精白米と小麦の過剰摂取
③ 加工肉の過剰摂取

この研究を行ったタフツ大学のダリウシュ・モザファリン教授は「炭水化物の質の悪さが、食事に起因する2型糖尿病の主な原因であることが示唆された」と述べています。つまり、白米や小麦といった精製された穀物を食べ過ぎていて、全粒穀物が不足しているということ。全粒穀物には、精製された穀物に比べて、食物繊維やミネラル、ビタミンといった栄養がより多く含まれています。
 一方で、今回の調査では、フルーツジュースの飲みすぎや、でんぷん質の多い野菜の食べ過ぎ、ナッツや種子を十分に食べていないことは、2型糖尿病の発症にはあまり影響を与えていませんでした。

男性の5人に1人が糖尿病

この研究では、グローバル食事データベースに登録された1990年と2018年のデータを比較していますが、184か国のすべてで、1990年から2018年の間に、2型糖尿病は増えていました。
日本でも、糖尿病の患者さんは増えています。令和元年の「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病が強く疑われる人は成人男性の5人に1人、女性の9人に1人に上ります。

糖尿病の怖いところは、重症化すると腎臓病や神経障害、網膜症をはじめ、さまざまな病気を引き起こしてしまうところ。
予防のために、まずは白米を玄米に、白パンをライ麦パンに変えるなど、炭水化物のとり方から見直してみませんか? そして、タンパク質は、ハムやベーコン、ソーセージといった加工肉はなるべく控えめにしましょう。

◎参照
https://www.nature.com/articles/s41591-023-02278-8
https://now.tufts.edu/2023/04/17/study-links-poor-diet-14-million-cases-type-2-diabetes-globally

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