がん検診、受けていますか? コロナでの受診抑制で早期発見が減っています

2022.02.01

2月4日は「ワールドキャンサーデー(世界対がんデー)」です。みなさんは、がん検診、受けていますか?
ここ1、2年、コロナが気になってがん検診が後回しになっている人もいらっしゃるのではないでしょうか。国立がん研究センターの報告によると、2020年にがんと診断された人の数は、前年に比べて6万人ほど少なかったそうです。それは、「がんの患者さんが減ったから」ではなく、コロナ禍にがん検診が減り、「がんが見つかる人が減ったから」ではないか、と指摘されています。

コロナ後、「がん」と診断される人が減っている

国立がん研究センターが発表したのは、全国863施設のがん登録(がんと診断された人の情報を登録するもの)のデータを集計した結果です。
このうち、2016年から2020年の院内がん登録全国集計のすべてに参加した735施設のデータを用いて、新型コロナウイルス感染症の流行前後で比較したところ、コロナ前の2019年に比べ、コロナ後の2020年には登録数(新たにがんと診断された人)が約6万件減少していました。
また、2016年から2019年の平均登録数で比べると、約1.4万件の減少でした。

検診きっかけの発見が減っている

がんが見つかったきっかけ別にみると、「自覚症状がある」などの理由で医療機関を受診してがんが見つかったケースよりも、検診や人間ドックで見つかったケースのほうが、減少割合が大きい傾向がありました。
たとえば、胃がんの場合、2020年には76,756人が新たに診断されています。そのうち、自覚症状などがきっかけになったのは、62,604人で、コロナ前の4年平均に比べると、7,769人(11.0%)減っていました。
一方、検診等のきっかけは14,152人で、コロナ前の4年平均に比べて4,538件(24.3%)の減少でした。
どちらも減少していますが、早期発見につながりやすい検診等のほうが、減少割合で見ると大きかったのです。

より減っているのが、早期がん

また、ステージ別に見ると、たとえば大腸がんではコロナ前の2年平均に比べて、ステージ0は91.2%(3,003件減)、ステージ4は99.6%(73件減)と、早期のがんのほうが、より減少していました。
進行がんよりも早期がんの発見が減少している傾向は、日本対がん協会などが行った調査でも明らかになっています。

早期がんは自覚症状がほとんどありません。そのため、早期で見つけるには、やはりがん検診や人間ドックが大切です。

メディカルプライム日本橋小伝馬町では、3階のさいとう内科・循環器クリニックでは肺がん検診、大腸がん検診、前立腺がん検診、肝炎ウイルス検査を行っています。お気軽にご相談ください。

◎参照
国立がん研究センター「院内がん登録 2020年全国集計報告書 公表」
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2021/1126/index.html

日本対がん協会「2020年のがん診断件数 早期が減少 進行期の増加を懸念 日本対がん協会とがん関連3学会が初の全国調査」
https://www.jcancer.jp/news/12418?y=2021&cat=list&num=2

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