睡眠時間、足りていますか?
2021.08.01
寝苦しい夏の夜、暑くてなかなか寝つけなかったり、夜中に目が覚めたりしませんか?
睡眠不足は健康や仕事の効率に悪影響を及ぼします。
今回は、自分にとっての最適な睡眠時間、夏の夜の快適な眠り方についてお伝えします。
睡眠不足が体と心に与える悪影響
睡眠は大事とは知りつつも、忙しいとつい寝る時間を削ってしまう……という方は少なくないでしょう。
でも、睡眠が不足すると体と心の健康に悪影響を及ぼすことが知られています。
たとえば、睡眠不足になると、食欲をコントロールするホルモンのバランスが崩れて食欲が増し、肥満につながりやすいことが指摘されています。さらに、慢性的に睡眠不足の人は、糖尿病や心筋梗塞、狭心症などのリスクが上がることもわかっています。
また、睡眠不足によって不安や抑うつが強まり、精神的に不安定になりやすいとも言われています。
「睡眠負債」とは?
最近では、「睡眠負債」という言葉をよく聞くようになりました。
睡眠負債とは、睡眠不足が続くことで、借金のようにダメージが体に蓄積されていくこと。睡眠負債が重なると、思考能力が低下し、仕事のパフォーマンスが悪化することがわかっています。
たとえば、たった16分の睡眠不足でも仕事に悪影響を与えるという研究報告もあるほどです(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30905693/)。
自分にとって「最適な睡眠時間」を知るには?
日本人の平均睡眠時間は、2018年のOECDによる国際比較によると、7時間22分。
これは断トツの最下位で、世界でいちばん睡眠時間が短いのが日本でした。
では、どのくらいが「最適」な睡眠時間なのでしょうか?
一般的には、現役世代の場合、「6~8時間」と言われますが、個人差があります。また、睡眠時間にこだわらなくても、翌日に眠気が残らず、快適に過ごせればよい、という話もあります。
大事なのは、「どのくらい寝れば翌日快適に過ごせるのか」を知ることです。
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構・機構長の柳沢正史先生は、自分の最適時間を知るために「1週間単位で起床・就寝時刻を決めて、『最初は毎日6時間、次は毎日7時間』といった具合に、睡眠時間を変えてみることをすすめています(『プレジデント』2021.7.30号より)。
つまり、最初の1週間は毎日6時間睡眠、次の1週間は7時間睡眠、その次の1週間は8時間睡眠……と試してみて、どの睡眠が自分に合っているかを試してみるということ。たしかに、一度“実験”してみれば、自分にとっての最適な睡眠時間がわかります。
寝るときのエアコンは?
ところで、夏になると寝苦しい夜が続きますよね。
エアコンをつけっぱなしにしていいのか、タイマーをセットしたほうがいいのか、悩む人も多いと思います。以前は、一晩中エアコンをつけっぱなしにしておくと体が冷えすぎて良くない、と言われがちでした。
でも、最近では、一晩中つけておいたほうが室温が安定するので良い、と言われています。
実際、タイマーを1、2時間かけて寝ても、エアコンが切れると暑くて目が覚めてしまう、という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
熱帯夜が続くなか、朝まで快適に眠るには、エアコンは27~28度の高めの温度に設定してつけたままのほうがおすすめです。また、エアコンの風が直接体に当たらないように調節しましょう。